ケアマネージャーに独学で合格する方法

保険医療サービスの知識

(1) 認知症

 

近年、高齢者の医療的問題で最も注目されているのは「認知症」です。

 

認知症は、「いったん獲得した知的機能が
後天的な疾患・器質的な障害によって永続的に損なわれた状態」と
定義されています。

 

つまり、病気や外相によって脳神経に障害が起こり、
記憶をはじめとする知的な機能が損なわれ、
それが回復しない状態を言います。

 

認知症には、種類があります。
大きく分けると、以下の4つの認知症がありますが、
アルツハイマー型認知症の比率が最も高いといわれています。

 

アルツハイマー型認知症

 

アルツハイマー型認知症は、脳の全般的な萎縮が原因になります。

 

アルツハイマー型認知症になると、
もともとのその人らしさが、早期から失われます。

 

特徴的な症状としては、
時間や場所、周囲の人物がわからなくなるなどの見当識障害や、
被害妄想、嫉妬妄想などがあります。

 

また、記憶障害や判断力、理解力の障害が著しく現れます。

 

アルツハイマー型認知症の経過は、
進行性に悪化し、著しい症状になります。

 

脳血管性認知症

 

脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり、
脳出血が起きることによって発症します。

 

脳血管障害の特徴的な症状としては、
もともとのその人らしさは比較的保たれますが、
わずかなきっかけで泣いたり笑ったり、
怒りやすくなるなど、感情が変わりやすい「感情失禁」、
記憶障害のあるわりに、判断力や理解力は保たれ、
知能の侵され方がまだら的となるなどがあります。

 

脳血管障害の経過は、悪化するときは段階的となります。

 

ピック病(前頭側頭型認知症)

 

ピック病(前頭側頭型認知症)は、
大脳の前頭葉と、側頭葉の部分が特に萎縮して起こります。

 

特徴的な症状は、記憶の障害よりも、
性格が変化したように見え、
無頓着になったり感情が衝動的になるなどする人格障害や、
言葉がうまく出なくなったり、言葉の知識が失われる失語が目立ち、
突発的な暴力や万引きなどの反社会的な行動が衝動的に起こるなどします。

 

レビー小体型認知症

 

大脳皮質の神経細胞内に、
レビー小体という特殊な変化が現れることが原因となって起こります。

 

特徴的な症状は、実際にはないものが見える幻覚や、
身体の震えや小またでしか歩けないなどの歩きにくさなどがあります。

 

 

このような認知症をめぐって気をつけたいのは、
高齢者は急激な生活環境の変化や、一時的な体調の悪化により、
数時間から数日間程度、認知症と同じような状態になることがあります。

 

たとえば、転居したり施設に入所したばかりのとき、
或いは、風邪をひいて熱が出たときや便秘が続いたときなどに
このような認知症と同じような症状が起こりやすくなります。

 

この状態は、認知症ではなく、「せん妄」と呼ばれる症状です。

 

せん妄は、原因がわかり、適切に対応することによって
必ず回復します。

 

このとき、「認知症が始まった」と決め付けるのではなく、
冷静に環境の変化や体調を確認すべきです。

 

(2) 骨粗鬆症と骨折

 

高齢者が、要介護状態になる原因に「骨折」があります。

 

高齢者は、骨折が起こりやすくなっています。
そして、その骨折が直っても、
介護が必要になってしまうことが多いです。

 

高齢者に骨折が起こりやすくなる第一の要因は、
骨粗鬆症です。

 

骨粗鬆症

 

骨粗鬆症は、男性よりも女性に多く、
特に年齢とともに50歳代から目立って増え始め、
カルシウムが不足するため、
骨の密度が減ってしまうことにより起こります。

 

骨粗鬆症を予防するためには、
日常的な対策として、栄養、運動、日光浴が大切です。

 

栄養は、乳製品や大豆製品、
小魚などのカルシウムを多く含む食品を摂取することが大切です。

 

骨に力が加わると、カルシウムが骨に集まり、
循環がよくなれば骨を作る細胞の働きが高まるので、
運動をすることも大切です。

 

運動といっても激しい運動ではなく、
散歩や水泳など、手軽に行うことができるものを
毎日無理のない程度に行うと良いでしょう。

 

また、日光浴は体内でビタミンDを作る作用があります。
それがカルシウムの吸収を促してくれます。

 

過度な日光浴は必要ありません。
ですが、1日に10分から20分ほど、
日光を浴びる程度で十分な効果が期待できます。

 

高齢者に骨折が多い箇所

 

高齢者に特徴的な骨折が起こりやすいのは、
大腿骨頸部(太ももの付け根の部分)、
橈骨遠位端(手首の親指側の骨)、腰椎(腰の骨)などです。

 

特に、大腿骨頸部の骨折は、治療のため、
一定期間の安静が必要で、
その間に筋力の衰えなどが起こることがしばしばあり、
要介護状態の原因になってしまいます。

 

(3) 廃用症候群

 

私たちヒトの身体や精神的な機能は、
使っていないと、どんどん低下してしまいます。

 

何らかの理由により、過度に安静を続けるなどすると、
「廃用症候群」が起こります。

 

この廃用症候群によって、高齢者が要介護状態になることが多いです。

 

*廃用症候群は、生活不活発病と呼びます。

 

 

廃用症候群の主な症状

 

・関節拘縮

 

関節の周囲や組織が伸縮性を失い、
関節の動く範囲が狭くなった状態を「関節拘縮」といいます。

 

関節拘縮は、手の指・関節、肩、膝、足首、股関節などに起こりやすいです。

 

関節拘縮を予防するためには、安静にせざるをえない場合は、
各関節を動かすような運動をすること(関節可動域訓練)ことなどが必要です。

 

・筋力低下

 

筋肉は動かさないと縮んでいき、筋力が低下します。

 

この筋肉の低下が進むと、
食事や歩行などの動作が自分でできなくなります。

 

筋肉低下の予防のためには、運動、趣味活動、
レクリエーション的な活動を続けることが大切です。

 

・褥瘡

 

褥瘡は、床ずれともいいます。

 

寝たきりの人にできやすく、軽いうちは皮膚が赤くなるだけですが、
進行すると血液の流れが悪くなり、
黒ずんで皮膚の組織が死んでしまい「壊死」という状態になります。

 

壊死の状態になると、皮膚の表面がはがれ、傷口が大きくただれます。

 

傷口から感染をおこし、重症化して死に至ることもあります。

 

ちょっとした不注意から、半日〜2日でできてしまうので、
細心の注意が必要です。

 

*身体の中で圧迫を受けやすく床ずれのできやすい場所

 

 仰臥位のとき: 頭骨部、肩甲骨部、脊椎部、仙骨部、かかと

 

 横臥位のとき: 耳介部、肩鎖関節部、側胸部、大転子部、膝関節外側部、外果部

 

 

また、褥瘡は、寝たきりというだけで起こるのではなく、
以下のように、いくつかの要因によって発生します。

 

 @ 圧迫: 身体の一点に圧力がかかり血流が悪くなる。

 

 A 湿潤: 発汗や失禁などで皮膚が湿って不潔になる。

 

 B 摩擦: 寝具や衣服で皮膚がこすれ、その部分から悪化する。

 

 C 栄養: 栄養状態が悪くなり、抵抗力や回復力が弱まる。

 

このようなことが褥瘡の原因になります。

 

ですから、褥層の原因となることを防ぐことが重要です。

 

たとえば、エアマットという福祉用具を活用したり、
皮膚を清潔に保つように拭いたり、
シーツを敷くときにはシワを作らないようにするなどします。

 

さらに、食事をしっかり取れるようにすること、
水分を摂るようにするといったことにも配慮しなければなりません。